基本原理 (ブレード式と一般的自転公転式の違い) |
■ブレード式攪拌装置(Gako社ミキサー) |
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【原理】
・モーター部に挿入されたシャフトが回転 ・シャフト先端に取り付けられたブレードが回転し容器内全幅を攪拌 (標準ブレードは容器内寸に合わせたサイズ) ・容器が上下動する事により上下方向を含めた容器内全域を攪拌 【長所】 ・大きなブレードによる回転と上下動により容器内全域を物理的に攪拌でき混合ムラが少ない。 ・容器が垂直に上下動するだけのため小スペース。大きな容器(最大2L)まで取り付け可能。 ・フタに穴があり中底がスライドするシリンジタイプ容器のため予製後に軟膏壺への移送が容易。 【短所】 ・フタに穴が開いた専用容器での撹拌が必要。 ・使用後にブレード等の洗浄が必要。 【適した用途】 予製 例 ①300~2000mlの大きな容器で予製混合。 ②エアーポンプで15~200mlの中型容器に移送。 ③シリンジ式送出で小容量軟膏壺に移送。 ※中量の予製混合なら②③、少量混合なら②だけでも可能。 |
■自転公転式攪拌装置(国内一般的軟膏ミキサー) |
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【原理】
・容器全体を公転回転させながら同時に容器を公転の0.4倍の回転数で自転回転させる。 ・公転遠心力で公転軸外側かつ容器底方向に内容物が押し付けられる。(重い物がより影響を受ける) ・自転遠心力により容器の左右方向が変わり内容物に回転運動が生じて混合される。 【長所】 ・軟膏壺などの一般的な密閉容器で混合可能。 ・洗浄は投入用の軟膏ヘラ程度と少ない。 【短所】 ・公転回転に面積を要するため大型化が難しい。(卓上型では300ml容器クラスまで) ・内容物の運動による混合であるため混合対象物の種類、比重によっては混ざりにくい。 【適した用途】 ・小容量 混合した軟膏壺をそのまま提供可能。 |
基本原理 (一般的自転公転式とmiksiの違い) |
■自転公転式攪拌装置(国内一般的軟膏ミキサー) |
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【原理】
・公転軸-自転軸角度が45度と比較的寝ているため公転遠心力により容器底に内容物が集中する。 ・最大公転回転数が2000rpmないしは2200rpmであり公転遠心力がmiksiより大きい。 ・最大自転回転数は800rpmないしは880rpmでありmiksiよりも容器内での内容物入れ替わりは遅い。 ・強い公転遠心力で内容物を容器底にてじっくり練る運動となり軟膏混合に適する。 【長所】 ・強い軟膏混合力 ・容器底面を主とした混合のため漏れやフタ付着のリスクが低い。 |
■おくすりmiksi |
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【原理】
・公転軸-自転軸角度が10度と立っているため公転遠心力により容器側面に内容物が集中する。 ・最大公転回転数が1200rpmであり公転遠心力は一般的軟膏ミキサーより小さい。 ・最大自転回転数は1200rpmであり一般的軟膏ミキサーよりも容器内での内容物入れ替わりが速い。 ・弱めの公転遠心力と速い自転回転で内容物を高速に混合する。 また容器底面に押し付けない事により容器内全体を使った舞わせる混合となる。 【長所】 ・容器底面に押し付けない混合のため様々な用途で使用可能 |
項目 | 一般的軟膏ミキサー | おくすりmiksi | miksiの特徴 |
公転軸-自転軸 角度 | 45度 | 10度 | 容器が立っている |
公転-自転 回転数比 | 1.0:0.4 | 1.0:1.0 | |
最大公転回転数 | 2000、2200rpm | 1200rpm | 公転回転は遅い |
最大自転回転数 | 800、880rpm | 1200rpm | 自転回転は早い |
軟膏混合 | ◎ | 〇 | |
散剤混和 | - | 〇 | |
錠剤粉砕 | - | 〇 | ※1 |
散剤の顆粒化 | - | 〇 | ※2 |
顆粒のコーティング | - | 〇 | ※2 |
※1 ジルコニアボール等を使用すれば一般的軟膏ミキサーでも原理的に可能
※2 応用機能、研究用途向け